ベトナム 日本目指す若者が急増する中で…

Author: - 19/03/2019

外国人労働者の受け入れが進む日本で、特に欠かせない存在となっているのがベトナムからの労働者。多くのベトナム人の若者が日本を目指す中、現地では、ある問題も起きている。

ベトナムの首都ハノイ郊外のリエンフォン地区。この地区からは多くの若者が日本に働きに出ているという。

女性「私のおいは日本で働いていますよ」

男性「ベトナムでは大学を卒業しても仕事を見つけられないから」

ベトナムの労働者の平均的な1か月の収入は、日本円で2万4000円程度。日本で稼ぎたいと考える若者は多く、知人からの口コミなどで日本の評判が高まっているという。

日本を目指すのには、ほかにも理由があった。日本への留学を希望するベトナム人が、日本語を学ぶ学校を取材した。

先生「お花見はどうでしたか」
生徒「お花見はどうでしたか」

先生「とても楽しかったです」
生徒「とても楽しかったです」

外国人には難しい漢字も猛特訓している。

なぜ日本に行きたいのか尋ねた。

日本留学を希望する学生「日本の文化を学びに行きたいわ」

日本留学を希望する学生「日本人の働き方に憧れている。しっかりしていて、丁寧に仕事をする。日本人はルールを守る」

多くの学生が、収入を得ること以上に、日本人の働き方や価値観を学ぶことで自らを向上させたいと考えていた。

こうした夢を持って日本に向かうベトナム人が急増する中、悲鳴を上げているのが、現地の日本大使館

大使館の業務が始まる1時間前には、日本の「ビザ」を求める人たちが集まってきている。ことし3月には、1日に3000人がビザの申請に訪れた日もあったという。

日本に滞在するベトナム人は2011年には、およそ5万人だったが、2017年には5倍の26万人以上に増加。

在ベトナム日本大使館の職員「毎日、大勢の申請者がいらっしゃって大変です。お昼休憩できないくらい(忙しい)」

さらに、重大な問題も起きていた。

在ベトナム日本大使館・梅田邦夫大使「去年から留学生について個別面接を開始した。この結果、申請の約2割は偽造書類を出してきている」

留学をあっせんする悪徳業者が書類を偽造したり、学生に「日本に行けば簡単に稼げる」と甘い言葉をささやき、仲介料などとして多額の金を支払わせたりするケースが後をたたないという。

留学生が日本に行った後も借金に苦しみ、窃盗などの犯罪に走るケースもあり、大使館ではベトナム当局と協力して悪徳業者の取り締まりを強化している。

在ベトナム日本大使館・梅田邦夫大使「悪徳送り出し機関が横行するような形は、できるだけ少なくするのが出先(大使館)の責任と思っている」

悪質な業者を排除しつつ、急増する留学生などにどう対応していくのか。限られた人手と予算の中で、日本側の受け入れ態勢も重要な課題となっている。